都内某所でBill Evansを特集している古い雑誌を見つけてページを眺めていると、1961年6月25日にVillage Vanguardで録音されたアルバム「Waltz for Debby」に地下鉄の音が入っている説を検証する、という記事があった。この日の演奏は「Waltz for Debby」と「Sunday at the Village Vanguard」の2枚のアルバムにまとめられ、歴史的名盤の誉れが高いが、打ち合わせする3人(Bill Evans, Scott LaFaro, Paul Motian)の声や食器の音などすべてが編集なしで録音されている3枚組コンプリートbox setがお薦めである。
その記事によると、「Waltz for Debby」に入っている、My Foolish Heartの 1:00 あたり、Waltz for Debbyの 1:47 あたりSome Other Timeの 0.12 あたりと 3.50 あたり、に聞こえるらしい。帰宅後、早速いつもより大きめの音量で聴いてみる。
う~ん わからん (>_<)
確かにVillage Vanguardは地下にあるが、さすがに地下鉄の音が録音に入っているとは俄かに信じ難い。ぼくが人生で一回だけ訪れた時も気が付かなかったし、CDではライブのざわざわした音のなかに地下鉄の音を聴き分けることはできなかった。ぼくの資金力で揃えることができたオーディオシステムの限界なのか、いや、おそらくぼくの音感の問題であろう。いずれにせよ、いつもより大きな音量で聴いたおかげで、今まで気が付かなかった客の咳払いなんかも聴こえてきて、さらに臨場感が増した。地下鉄の音は聴き取れなかったが、やはりこれくらいの音量で聴くべきと再認識させてくれた。