朝から曇ったり晴れたりのお天気。午後から時間ができたので鴨川の上流、雲ケ畑に出撃。その昔、平安遷都のために出雲から呼び寄せられた宮大工が遷都後も残って住み着いた地を「出雲ケ畑」と呼び、その後いつの間にか「雲ケ畑」になったという説を梅原猛で読んだ気がする。雲ケ畑はロードレーサーを手に入れる何年も前の小学生時代からママチャリで走っていた。温暖化と言われる今は知らないが、冬場は上流の川面が凍ることもあった。凍った川面に手袋をひとつ落してしまって、翌週再度、遊びに来たらコチンコチンになって発見されたことも。今の子供たちはゲームばかりで野山を走り回って遊ぶことはあまりしないのだろうか。

北山杉になると思われる樹がアチコチに立っている

懐かしい風景を眺めながら緩い坂を登っていく。左右に広がる北山杉の斜面は、最近続いた雨のせいだけではなさそうな大量の倒木が目につく。素人目にはかなり荒れているように見えるが日本の林業は大丈夫なのだろうか。林業も農業も国土の保全に直結すると思うと残念であり心配である。

素人目には荒れ放題に見える

雲ケ畑は花脊のようなキツイ勾配はなく、フラットなところや少し下りになるところがあり、けっこうスピードが乗るのだが、ウェット路面が多いので、景色を楽しみながらのんびり走る。それでも思ったより早く出合橋まで来て左に進む。雲ケ畑小学校は校舎の錆が酷くすでに廃校になっているようだ。空き家と思われる民家も目立ち、段々畑か棚田だったと思われる斜面は荒れ放題である。これが日本の現実であろう。

複雑な気持ちを抱きながら岩屋橋に到着。ポツリポツリと降り出したので、このまま引き返そうかとも思ったが、ここまで来たら岩屋山志明院への激坂を登らないわけにはいかない。志明院の奥にある岩の間から滴り落ちる雫が鴨川の源流と言われている。レーサーシューズを履いているので、雫までは行けないが、志明院の入口まで続くあの激坂に30年振りにチャレンジ。落ち葉や枝が散乱するウェット路面で下手にトルクをかけると後輪がスリップするくらいの勾配。最後に止めを刺すのは23%の激坂。これはマジでキツイ。登り切ってゼーゼーという大音量の荒い息が志明院の駐車場を囲む森林に吸い込まれていく。

証拠写真 勾配 23.1% 1F 1R はインナー34とリア28の組み合わせ

雨で滑りそうな下り坂をゆっくりゆっくり注意深く降りていく。少し寄り道をして、宝ヶ池の近くのVIGOREに20年振りか30年振りかに顔を出す。恐るおそる「昔、3RENSHOなのにVIGOREでお世話になっていました」と名乗りつつマスクを一瞬外すと「あ、わかるわかる、全然変わってないな」と温かく迎えてくださった。VIGOREのトラディショナルな落ち着いた雰囲気に安心しつつ、世界的なパーツ不足など最近の自転車事情をお聴きした。雨が止んだところで店を出たが、キツネ坂を下りてダム女の近くまで来たところでヘルメットを店内に忘れてきたのに気が付き引き返す。また小雨が降り出したが、今日も楽しいライドだった。

本日の走行距離  45.30 km
2021年7月26日からの累積走行距離 323.20 km
寄付予定額  3232 円
2021年1月1日からの累積走行距離 1967.70 km