走ったのは土曜日だが忙しくて日曜日の朝にLisa Ono “Jazz Standards from L.A.” と “… from Rio”を聴きながら書いている。
気温が安定してきた。風も穏やかだ。江戸川CRに出撃！！
今日はわずかな向風のなか上流に向かって左側（埼玉側）を走る。絶好のサイクリング日和なのでかなりローディが多いが、そのなかで黄緑の3RENSHOピストを競輪用のヘルメットと七つ星のレーサーパンツで黙々と走らせる明らかにプロ（競輪選手）と思われる人を見かけた。この黄緑の3RENSHOは何度も行ったり来たりしているようで3回も見かけた。ぼくも3RENSHOに乗ってましたと声を掛けたかったけど、練習の邪魔になっては申し訳ないので、遠慮した。
家を出る前に済ましたのに、いつもより早くトイレに行きたくなったので、JR武蔵野線の手前にあるサイクリスト御用達のトイレでストップ。用を足して出てくると見覚えのあるSANO-Magicを発見。12月6日に関宿城でお話したS氏と再会して少し立話。仲間内で3台あるSANO-Magicが近々もう一台増えて4台になるそうだ。オーナーのひとりが最近亡くなり、家族で乗る人がおらず、佐野氏を通じて新しいオーナーとしてS氏の仲間に白羽の矢が立ったそうだ。こうなるともうストラディバリウスと同じである。さらに仲間内で納品待ちがあり、計5台になるそうだ。しかし、最近は増々マホガニー材が手に入らなくなり、今後の制作がかなり難しいようだ。1台制作するのにマホガニーが100kg必要で、以前は100kg = 60万円だったのが今は500万円くらいに高騰しているらしい。マホガニー以外で作ると少し重くなり、それを佐野氏が嫌って制作を渋っているようだ。重くなると言っても、ボトル２本でいくか１本でいくの違いくらいの重量増である。単純に軽いだけが取り柄なら他の素材を使えばいいわけであり、SANO-Magicのマジックたる所以は木材の不思議な特性を活かした撓り（しなり）がもたらす、路面からの衝撃吸収や背中を押されるようなウィップ感であろう。数100gの重量増でその魅力がなくなるとは思えない。それは佐野氏自身が一番よくわかっているはずではないか。
S氏と別れてさらに走り続ける。ふと気が付くとぼくの後ろをcorratec（だったかな）に乗るちょっとぽっちゃりさんが追走している。ぼくのスピードで良いなら追走してもらってまったく問題ないのだが、向風のなか30km/hキープに疲れ、補給食を食べたくなったので先に行くように手信号を送ると、そのぽっちゃりさんはスーッと追い抜いて行った。正統派ローディなら礼の一言やちょっと手を挙げて合図して行くものだが、このぽっちゃりさんは何もなし。自転車人口が増えるとこういう輩も増えてくる。
それにしても今日は気持ちがいい。他の生物にとっても気持ちいいのか、小さい虫の群れに突入する。思わず、痛っ！！と声が出るほど大きめの虫が左耳にバチっと当たる。路傍より蛇が出てくる。そうこうしているうちに先に行ったぽっちゃりさんに追い付いたので抜いたらまた追走されたが、東武野田線の高架のところで折り返したようで、その後はいなくなった。
今日は天候に乗せられてけっこう飛ばしたので背中のポケットに入れた補給食だけでは足りなさそうだから、関宿城に着いたら売店で助六寿司を買って食べようと楽しみにしていたが、今日は売り切れ、残念。しょうがないからあんパンを買って食べる。
江戸川CR沿いに見えるあちこちの田んぼで水を入れて田植えを始めていたが、お城から見下ろす田んぼも田植えを始めていた。すでに田植えを終えたところ、今まさに水を入れ始めたところ。黄金色の稲穂が垂れる風景も好きだが、青い空と白い雲が水面に映る今の時期の田んぼも美しい。このような日本の原風景がいつまでも残ることを祈る。
復路は（も）お約束の向風。心を挫くほどではないが、さすがにバテてきたころ、「右から抜きます」と声を掛けてぼくを抜いた若いカップル。「後ろつきます！」「どうぞ！」と言葉を交わして追走させてもらう。慣れた仕草で歩行者、輪留め、対向車を手信号でぼくにも知らせてくれる。ひとりで25km/h精一杯のところ、しばらく32km/hで追走させてもらったが、右のふくらはぎがピクピクしてきたので、「千切れます、ありがとうございました！」と声を掛けてスローダウンする。善人ぶるつもりはないが、これが正統派ローディの礼儀だろう。
いよいよ自転車の季節になってきた。今日はいつもより走れた100kmだった。
本日の走行距離 100.7 km
2020年7月26日からの累積走行距離 2331.61 km
寄付予定額 23,316 円
2021年1月1日からの累積走行距離 680.0 km