アナログ人間のぼくはコースの地図をカラーコピーして背中のポケットに入れて走り、迷ったら止まって汗でふやけた地図を見る。しかし、気持ちよく走っているのに立ち止まるのはもったいないので、ついにLEZYNE Super GPSを買ってしまった。が、使い方がよくわからない。

いつものことだが、この手の取扱説明書はわかっている人がわかっている人用に書いたもので、初めての人には何の役にも立たない。他の人たちはこんな取扱説明書でほんとうに使いこなしているのか不思議である。

指定のGPS Rootというアプリでルートを作ってSuper GPSに飛ばすのだが、こちらが走りたいルートは完全無視、車を置いた駐車場をスタートして同じ駐車場に戻りたいからいくつか経由地を入れてみたが経由地も無視。何度やっても上手く行かない。あまりに意味不明なので、「よし、わかった、こうなったらお前の指示通り走ってやる」と腹をくくる。

保田漁港をスタートしていきなり「コース外れ」を連発。GPSの左折右折も全然現実と合わない。ほんとうにみんなこれで走っているのだろうか。やっとの思いでルートに乗ったと思ったら、軽自動車とすれ違うのさえ難しいような獣道、そして激坂に入っていく。100回くらいコース外れをしながら、行ったり来たりして再びルートに乗るを繰り返す。

佐久間ダム

素直に34号長狭街道を走れば、とっくに大山千枚田に到着しているはずだが、いつまでもコース外れ。しかし、車がほとんど通らないぼくが好きな田園風景や林道を走っていることは確かだが、Super GPSに感謝すべきかどうかはよくわからない。

こういう風景を走れたのはLEZYNEのおかげか!?

荒れた林道に立ち止まって写真を撮っていると農作業の軽トラのおばさんがわざわざ声をかけてくれた。大山千枚田に抜けるつもりで走っていると言うとこの先は昨年の台風の影響で道が崩れたままで通れないから「ボケ除け地蔵」があるあっちの道を通ったほうがいいよと教えてくれた。このまま少し登ったところで鴨川の海が見えて、下ったところで通行止めらしい。せっかくだから海を見てみようと頑張って登ってみたが、その先にかなり急な下り坂が見下ろせた。通行止めを知らずにここを下って行って引き返す羽目になったら、たとえC59と一緒でも、それはあまりにも辛いだろう。農家のおばさん、ありがとう。

荒れた路面もC59とならへっちゃらさ

そして、いつも思う。オリンピックなんかする金があれば昨年の台風で崩れた林道をさっさと直すべきだし、大規模自然災害の被災者や母子家庭など色んな事情で困っている人々を支援するべきだ。

引き返して、教えてもらった道を進むと庭先で農機の手入れをしているおじさんがいたので、大山千枚田に抜ける道を尋ねてみた。このまま真っすぐ行くとハウスがあるから右、県道に出たら左、三叉路に出たら大山千枚田への矢印があるから、と的確に教えてくれた。ついでに「ボケ除け地蔵」に手を合わせたいと道を尋ねたが、ここでも林道が崩れたままで行けなかった。

ダウンチューブの下もお気に入り

やっとの思いで無事、大山千枚田に到着。何年振りくらいだろうか。三連勝と一緒に写っている写真もあるし、CLXとも一緒に来ている筈だ。美しい棚田は100年後に、否、永遠に残したい風景である。

美しい

帰りはSuper GPSに頼らず、素直に34号長狭街道に出て保田漁港に戻ろうとしたが、C59が「もっと走ろうぜ」とぼくを誘う。よし行くか、と長狭街道で鴨川漁港まで下り基調を一気に走り切る。

鴨川の海水浴場

鴨川漁港から保田漁港まで、試しにもう一度GPS Rootが作成したルートで走り出してみたが、意味不明の細い道を何度もコース外れをしながら、長狭米の田んぼのなかを走る。ぼくの好きな風景であるのは事実だが、何度もコース外れを繰り返すので、このままでは帰れないと思い、Super GPSを無視して長狭街道で保田漁港に戻る。

内房から外房のCoast to Coastは前半の獣道を含めて79.09kmの走行距離。その距離以上にかなり走り応えがあり、C59を堪能したライドだった。そして、せっかく買った見た目はカッコいいLEZYNEをなんとか使いこなせるように頑張ろう。

見た目はカッコいい

本日の走行距離  79.09 km
累積走行距離  253.63 km
寄付予定額   2536.3 円