ぼくは昔から棚田が大好きである。いつまでもずっと見ていられる。平地の少ない日本で、先人たちが家族や親戚、地域の仲間と力を合わせて整えた棚田は日本の原風景であり心の故郷のような気がする。
今年のゴールデンウイークは5月1日(月)と2日(火)を有給休暇にすれば休みがかなりつながるが、仕事が入り休めなくなったので、代わりに4月28日(金)を有給休暇にして、思い立ったが吉日とばかりに南アルプス市の「中野の棚田」に行くことにした。総合運動公園の広い駐車場に車を停めさせていただいてスタート。絶好のサイクリング日和で、今シーズン初の生脚(短パン)である。
下調べが不充分なまま走り出したので、「中野の棚田」になかなか辿り着かない。なんとなくの方角で走っているうちに「棚田はこちら」のような標識が出てくるかなと思いつつ走っていたが、どんどん山の中に入っていく。庭先で作業をしていたおじさんに尋ねると、案の定、通り過ぎていた。登ってきた坂を下り、丁寧に教えてくださった道順通りにようやく中野の棚田に辿り着いた。
しかしながら、水を張った棚田はまだ少なく、当然ながら田植えもまだ済んでいない風景は期待したほどの絶景ではなかった。棚田は日本の原風景、心の故郷などと偉そうなこと言いつつ、そもそも田植えっていつだっけ!?という自分が情けないが、それでも、部分的に水が張られた棚田の向こうに富士山や甲府盆地が見える風景は、頑張って坂を登ってきたご褒美には十分以上であった。蛙や鶯などの声を聴きながら一口羊羹でエネルギーを補給する。なんて幸せなひと時だろう。田植えの後、稲がすくすくと育った夏頃にもう一度見に来ようではないか。
棚田を堪能した後は、再び山の中に入っていき、南伊奈ケ湖を目指す。満開の山藤を愛でつつ、勾配10%前後が続く坂道を亀のように遅いペースで登っていく。路面ではモグラがひっくり返っていたり、鳥が落ちていたり、猿の親子が横断していたりする。林道の山側はよくあるコンクリートで固めた無粋な壁ではなく、石垣のような壁が雰囲気を良くしてくれているが、棚田を開墾したときに出てきた石を活用しているのだろうか。
南伊奈ケ湖は「湖」というより「池」だが、その澄んだ水を眺めながら小休止。グルっと山を回って一気に下る。
途中、鳥居があった。得も言われぬ絶妙な表情をした小さな道祖神に掌を合わせる。今日も一日お守りください、ありがとうございます。
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本日の走行距離 30.90 km
2022年7月26日からの累積走行距離 1086.80 km
寄付予定額 10,868円
2020年7月26日からの累積走行距離 6035.91 km
(LAまで残り 2778.09km)