やはり一年を締めくくるのは競輪GPしかない。ウイルス前は立川や京王閣に観に行ったが、今年の平塚はさすがに遠いので、松戸で場外。早速、S級グルメを楽しみつつ、GPのひとつ前の寺内大吉記念杯の決勝に乗ってきた畑段嵐士(京都105期)を応援したがダメダメだった。
GPは新山響平(青森107金)と古性優作(大阪100期)を応援していたがこちらもダメだった。古性は最後に脇本雄太(福井94期)を差して欲しかったが届かなかった。優勝した脇本は賞金1億1880万円を加算して年間獲得賞金が3億円に到達したようだ。これは競輪初というだけではなく公営ギャンブルとしても初の3億円であるが、6億円プレーヤーがゴロゴロいるプロ野球に比べたらまだまだ少ない。以前にも書いたが、プロスポーツ選手で最初に1億円に達したのは野球の落合博満ではなく中野浩一(福岡35期)であり、それは今から40年以上前の1980年。その後も1億円レーサーは毎年2~3名であり、GPを取った選手が2億円に到達するかどうかである。ちなみに1980年は王貞治の現役最後の年て年俸が8000万円強だったらしい。
年金生活と思われる高齢者ばかりの競輪場から、ネット投票による若者層への拡大に伴い、競輪選手の賞金レベルがもっと底上げされることを願う。
それにしても今の競輪は横の動きが規制されて面白くなくなった。もちろん、選手生命や命にかかわるような落車を減らすことは大事なことだが、真っ直ぐ走るだけならよーいドンで一番早いやつが優勝でいい。
今日のGPも8番手から捲ってきた脇本が誰にもブロックされることなくすんなり先頭に立ってそのまま1着。昔ならマーク選手が捲ってきた選手をブロックし、自分がつける先行選手を守る、先行選手は守ってもらえるから風圧を受けても先行する。つまり先行選手とマーク選手の持ちつ持たれつがお互いの勝利への方程式だった。
今は横の動きは進路妨害としてすぐ反則、失格とされてしまう。先行選手はどうせ守ってもらえないから後ろのことを考えないで好き勝手に走る、マーク選手は先行選手を単なる風除けに使うだけで先行選手を2着に残すようなことは考えない。必然的にラインの結束は弱くなる。
今の競輪で圧倒的な強さを誇る脇本はいつも後方8番手あたりで、車間を開けて一気に捲って先頭に立ちそのまま1着でゴールする。後ろがどんなに離れようと気にしない、自分だけが勝てばいいという走り。圧倒的に強い今ならそれでいいが、力が落ちてきたときに、さて、どんな走りをするのだろうか。
守澤太志(秋田96期)は後ろから捲ってくる脇本を外に牽制しないで、なぜか松浦悠士(広島98期)を内に押し込んで失格となり、9着でも600万円超の賞金をパーにしていた。もしかして、松浦が周回中に新山と新田祐大(福島90期)の間に入ってラインを分断したので、その仕返しのつもりだったのだろうか・・・。