COLNAGO C59

C68が発表された。

コルナゴのなかでも「C」は特別な存在である。1954年の創業年を起点に35周年モデルとして1989年に「C35」が登場して以来、「C40」「C50」「C59」「C60」「C64」「C68」と「C」は創業XX周年として世に送り出されてきた。

ん!?C59の次がC60ということは、C59は駄作だったから1年でモデルチェンジが行われたのか!?と誤解されるかもしれない。実はC59だけが1954年起点ではなく1952年起点になっている。1952年はErnesto Colnagoが怪我により選手を諦めて、自転車を提供する側に転向した年である。イタリア統一150周年の2011年にリリースされた特別な「C」は1954年ではなく1952年を起点にC59と名付けられた。よって、C59は1年でC60へモデルチェンジした駄作ではなく、「C」のなかでも特別な存在である、というのがぼくの理解なのだ。

昨年7月3日のブログに書いたが、コルナゴ・ジャパンのWebページの歴代モデルの系譜になんの手違いかC59が抜け落ちているのを発見して指摘すると、来年(つまり今年)リニューアル予定という回答を得たが、合わせて訊いたなぜC59はC57ではないのかという質問は無視された。しょうがないので、イタリア本国のコルナゴに英語で問い合わせたがこちらも回答がなかったのは非常に残念である。

リニューアルされたWebページにはC59がちゃんと紹介されているのは良いのだが、他の「C」は50周年モデル、60周年モデルと紹介されているのに対して、C59は「C50の正常進化版となるフラッグシップ」という表現であり、なぜC57ではないのかという説明はない。しかもリリースは2010年となっている。2010年リリースなら1952年を起点としてもC58 にならないとおかしい。

2020年10月14日のブログでも書いたが、2010年にツール・ド・フランスなどに実践投入されて、市販されたのは2011年なのではないだろうか。2011年11月5日に来日していたErnestoにサインをもらったコルナゴの総合カタログは2012年版となっている。その2012年版にはイタリア建国150周年記念限定モデルC59が「コルナゴ設立56年の歴史に蓄積された技術の粋を集めて開発された特別限定モデル」と紹介されている。設立(1952)ではなく創業(1954)から56年としたら、C59は2010年となり、C59は「C58」あるいは「C56」になっていないとおかしい。

結局、歴史マニアでありCOLNAGOマニアのぼくの結論としては、つまり、イタリア建国150周年を記念して、2011年モデルとして1952年を起点にしてC59と命名されて2010年にリリースされたということにしておこう。

それはさておき、ついに発表された新しい「C」は1954年の創業から68周年と計算は合う。「C」がフラッグシップであることに変わりはないが、他社がカーボンモノコックを作るなか、「C」はあくまでもパイプをラグで繋ぐ手法を踏襲してきた。しかし、C68は伝統的な「ラグ」とは少し異なるようだ。今まで「C」はレースに勝つためのコルナゴの最高峰であったが、ツール・ド・フランス連覇中のモノコックフレームのV3-RSがレース用で、C68はサイクリング用と位置付けられたという評も目にする。また、このたびのC68が「ロードモデル」で、今後随時、ワイドタイヤを履けるオールラウンドのC68とグラベルのC68が登場するらしい。

もちろん、ぼくのようなレースに出場したことがない貧脚には言う資格はないが、レースで勝つことを目的とする「C」に乗っていることが誇り(自己満足)であったが、レースは「V」シリーズ(Victory)で「C」シリーズはcyclingのCになったようであまり嬉しくない。そして、C68のヘッドのコルナゴマークからアルカンシェルがなくなり、三葉のクローバーだけになったのも、なにか寂しさ感じる。

明日は天気が良さそうなので、C59とのんびり100km走ろう。レースに出ない、のんびりサイクリングする奴が「C」を語るな、と言われそうだが、ぼくはC59が一番好きである。

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