今はどうか知らないが、ぼくが住んでいた頃のLos Angelesはあまり空気が良くなく、晴れているけどhazyな日が多かった。しかし、年に数度、風の関係か湿度の関係かよくわからない何かの拍子に空気がきれいな日があって、まさに天使の街に変貌する。
Los Angelesとはスペイン領だった時代の長ったらしい名前からきており、元は「天使たちの女王の街」という意味らしく、天使の部分もAngelsではなくAngelesと綴るのはスペイン語の名残らしい。
年に数回、空気が澄んだ日、ぼくは慌ててOLYMPUS OM4-TiBとManfrottoの三脚を担いでグリフィス天文台(Griffith Observatory)の後方にある小高い丘に登り、レンズ越しに天使の女王と対話する。
グリフィス天文台といえば、古い映画ファンなら真っ先に映画「理由なき反抗」(Rebel without a Cause)を思い出すであろう。転校してきたジェームス・ディーン(James Dean)が不良たちにカラまれナイフで喧嘩するシーンやナタリー・ウッド(Natalie Wood)と隠れていたりするのがグリフィス天文台である。
ターミネーターでシュワルツネッガーが未来から素っ裸で今に降り立つのも、Back to the Futureで空飛ぶスケボーのマイケルJフォックスが車に乗った悪ガキとスポーツ年鑑を取り合うトンネルは天文台に続く道であり、Beverly Hills 90210で金持ちの高校生がデートするのもグリフィス天文台である。