収穫前の黄金色に輝く稲穂も美しいけど、田植え後の水鏡になった棚田が見たくて新潟の星峠に行ってきた。2年前の夏に訪れた白馬村の青鬼集落の棚田は美しかったけど、雪の残る山々をバックに田植え後の水鏡が見たくて、再訪しようかと思ったが、せっかくなら行ったことがない棚田を訪れることにした。

棚田マニアとして一度は行ってみたかった念願の星峠の棚田、これも聖地巡礼か。4時起きで、片道4時間、往復500km超。あちこち欲張って走ろうと思って、最初、敢えて星峠から離れた「千手温泉 千年の湯」に車を止めさせていただいたので、事前に「サイクリングの後、温泉に入らせていただきます」とメール連絡しておいたら、大変丁寧なお返事をくださっていた。

星峠の棚田

Garmin Connect(最初、Riding with GPSと書いてしまいましたが、訂正します、すいません)で作成したコースをGarmin130にダウンロードして、ナビに従って国道253号線を走り出すと間もなくトンネルが出てきた。山の多い地域だからトンネルのひとつくらいしょうがないか・・・と突入したが、怖いこと怖いこと。なんとか無事走り抜けたが、ホッとする間もなくまたトンネル。こんどは1000m超なので、細い歩道を走ることにしたが手すりがないので、ちょっとふらついて車道に落ちたら危険である。しょうがないので、自転車を降りて押して歩く。案の定、砂が溜まった箇所が何か所もあり、乗って通ったらズルっと転倒してもおかしくない状態だった。やっとの思いでふたつめのトンネルを抜けたら、目の前に3つめのトンネルが・・・文字通り目の前が真っ暗になった。コース作成のときにもっと注意すべきであったが、Garmin Connect(同上)のプログラムとしてトンネル回避とかできないのだろうか。

星峠の棚田

このまま国道を行くといくつもトンネルを抜けなければならないので予定を変更して、車に戻ることにした。同じトンネルを再び歩いて通るのは嫌だったので、スマホで地図をよ~く見ると旧道があるようだ。農作業中の地元の人に教えていただき、旧道を通ってふたつ目、つまり長い方のトンネルは回避できた。しかし、ひとつ目のトンネルの旧道は完全に草木に覆われて走行不可能だった。

自転車を降りて再びトンネルを通り、車に戻ってC59を積んで、星峠の近く、松代駅前にある道の駅「まつだいふるさと会館」に車を止めさせていただいた。小さな観光案内所のお二人に、実は・・・と事情をお話すると、その判断は正解であると喜んで手作りの「松代の棚田めぐりサイクリングマップ」をくださって、ふるさと会館から星峠の棚田、儀明の棚田、蒲生の棚田のルートをわかりやすく説明してくださった。

儀明の棚田

気を取り直して、張り切って再スタート。自転車で走っていると、名前のついた棚田だけではなく、あちこちに大なり小なりの田んぼがいっぱい点在しているのがわかる。機械が入らないであろう小さな田んぼは、苗の両側に足跡が続く。長年の日本政府からの虐めにも負けず、こうやってお米を作ってくださっているのだ。農家のみなさんへの感謝の気持ちを新たにし、この風景がソーラーパネルに破壊されないことを切に願う。

蒲生の棚田

日本の原風景のような田んぼを堪能し、ふるさと会館に戻ったら、先ほどのお二人がまだおられたので、おかげさまで無事走ってきましたと御礼申し上げたら大変喜んでくださった。ルートを変更してナビが頼りにならなくなった今回、何度か地元の人に道を尋ねたが、みんな作業の手を止めて親切に教えてくださった。

仕上げに日本三大薬湯といわれる松之山温泉の熱い湯に浸かった。そのおかげか、走行距離、獲得標高のわりには首の疲れがいつもより楽に感じられる。

東北大学の田中英道名誉教授が温暖だった縄文時代は東北地方が先に栄え、「日高見国」が存在したと主張されている。十日町は火焔型土器が発見されたり、大国主大神の妻のひとり奴奈川姫を祀るために坂上田村麻呂が807年に建立したと言われる松苧(まつお)神社があったり、歴史マニアとしても興味深い。今回の日帰りサイクリングでは、歴史探訪までは叶わなかったが、またいつかゆっくり訪れたい。

日本の歴史、伝統、文化、美しい風景、そして親切な人々が破壊されず守られていくことを祈ります。

動画はこちら

本日の走行距離  64.40km
獲得標高 1106m
2024年7月26日からの走行距離 2116.82km
寄付予定額  21,168円
2020年7月26日からの累積走行距離 9859.83km
(Los Angeles を通過して +1054.3km)
(South Carolina まで残り 1332.17km)