国宝級の三連勝を手に入れてご機嫌だったがひとつ大きな問題に直面した。ペダルである。ぼくは1988年の初代三連勝からずっと LOOK のビンディングペダルを使っていて、今のCOLNAGO C59 も LOOK である。二代目三連勝は Sante のクランクに 600 のペダルが付いている。最初はペダルだけ LOOK に換えるなんて簡単なことだと思っていたが甘かった。
最近のペダルは軸に六角レンチを挿して取り外しを行う。この時代の 600 は薄いスパナで取り外しを行うが、軸に六角レンチの穴も開いてるので問題ない・・・と思っていたら、なんと!!Sante のクランクのペダルのねじ穴は貫通していない!!つまり、六角レンチが挿し込めない。なぜシマノが貫通させなかったのかよくわからないが、違うペダルをつけてシューズを新たに買って使い分けるのは避けたい。
初代三連勝は SUNTOUR の Sprint で組んでいたが、クランクは実は 600 を使っていたので、インターネットで 600 のクランクを探してみると、ペダルの取り付け穴は貫通している。懐かしさに加えて、Sante についているチェーンリンクはアウター52でインナー42なので、ネットオークションで50-39のチェーンリンクのついた 600 クランクを手に入れた。ギア比の改善と LOOK の装着、一石二鳥ではないか。
コッタレス抜きを購入し、Sante のクランクを取り外し、600を装着してみた。あれ~!?インナーがチェーンステーに当たる! なぜだ? 昔お世話になった人にメールで訊いてみたら、600 のBB(ボトムブラケット)は115mmなので、Sante の BB が何ミリか確認すべしとご教示いただいたので、計ってみると、Sante の BB は110mmだった。つまり、Sante のクランクと 600 のクランクでは取付位置のオフセットが違うので、片側2.5mmが内に入ってしまうのだ。ぼくの知識不足といえばそれまでだが、同じ時代のほぼ同じグレードのクランクと BB を5mm変えるシマノの意図がよくわからない。
しょうがないから 600 の115mmの BB もネットオークションで入手して、BB ごと 600 に交換することにした。右ワン左ワンを外すツールと玉当たりを調整するためのカニ目レンチを買いに行ったら、今どきの自転車屋さんはそのようなビンテージなツールは置いていなかった。当然といえば当然か・・・。
う~ん、困った。最後の手段として、昔お世話になった工作機械をお持ちの人に相談して、Sante クランクのペダル取り付け穴を貫通していただいた。最初からそうなっていたかのように美しく仕上がった。もちろん、ぼくの自己責任であるが、脚力を考えれば、強度的には問題ないであろう。
ネットオークションで購入した 600 のクランクは使わないことになったが、せっかくなので、チェーンリンクだけ付け替えてみた。幸いPCD(Pitch Circle Diameter)が同じ5本アームなのでこれは無理なく装着できた。
当時物の三連勝を手に入れて取り敢えずやったことは、サドルの交換(1988年もの)、タイヤの交換、ブレーキブラケットおよびワイヤーの交換と左右をスイッチ、ブレーキシューの交換、バーテープの交換、チェーンリンクの交換とチェーンのひと駒カット、そしてペダルの交換。結果論ではあるが、ペダルを LOOK に揃えるのではなく、六角レンチとスパナの両方に対応しているシマノのペダルで揃える方が効率的だったといえる。そうすれば、すべての部品が日本ブランドになり、日本の伝統工芸品としては良かったのかもしれない。いや、それでも、サドルは初代三連勝の San Marco を使いたいから画龍点睛を欠くか。
いずれにせよ、今の部品と規格が違うなど試行錯誤は旧車乗りの「あるある」だが、皆さんに助けられて一通りのカスタマイズは完了した。明日からガンガン走り出そう。フラットなコース限定だけど・・・ (;^_^A