昨日は梅雨の晴れ間とばかりに100km走ってきたので今日は音楽と読書。といっても、今読みかけの本がいっぱあって、どれも読了に至っていないので、以前、読んで面白かった本を紹介する。
百田尚樹著「地上最強の男ー世界ヘビー級チャンピオン列伝」
著者本人は「売れてませんねん」と嘆いているが、非常に面白かった。ぼくは特別ボクシングが好きなわけではないが、「これはもうひとつのアメリカ史である」に惹かれて読み出した。エルビス・プレスリーがアメリカ史であるように、ヘビー級のチャンピオン列伝もアメリカ史なのだ。
黒人で初めてヘビー級チャンピオン(=地上最強の男)になったのが、1908年、7代目チャンピオンのジャック・ジョンソンである。地上最強の男が白人ではなく黒人であることが気に入らない人々により、冤罪によって有罪判決を受けたジョンソンは、保釈中に欧州へ「逃亡」し、放浪生活を強いられる。
紆余曲折の末、帰国して投獄され、10か月の刑期を終えたのが1921年。ノースキャロライナで交通事故で亡くなったのが1946年、享年68歳だった。その後、ジョンソンの名誉回復のために大統領恩赦を求める動きが何度もあった。
そしてついに、2009年、上下両院でジョンソンに恩赦を与える法案が可決され、あとは大統領がサインするだけとなった。しかし、オバマ大統領はサインを拒否し、恩赦を与えないまま任期を終えた。
結局、恩赦を与えたのはジョンソンの死後72年、不当判決から105年経った2018年、トランプ大統領である。これがアメリカ史上初の黒人大統領であるオバマ大統領(2009-2017)と、差別主義者とマスゴミがレッテルを貼り、嘘の情報で引き摺り降ろしたトランプ大統領(2017-2021)の現実である。
ついでにいうと、オバマ大統領はホワイトハウスを訪れた北朝鮮による拉致被害者の横田夫妻に会うときに、日本から遠路やってきた老夫婦に椅子さえ用意するのを拒否し、できるだけ手短に済まそうとしたことはあまり知られていない。一方のトランプ大統領は膝を突き合わせて予定以上の時間をかけてじっくり横田夫妻の話を聴いて、「日本の13歳の少女が北朝鮮に拉致された」と国連で演説をしてくれた。